フレンチ・フルート(1)
フレンチ・フルート(1)
 初代ルイロット
フレンチ・フルート(1)
 2代目ルイロット
フレンチ・フルート(1)
 3代目ルイロット
ルイロット(38xx)、 ルイロット(41xx)
フレンチ・フルート(1)
 4代目ルイロット
ルイロット(49xx)、
フレンチ・フルート(1)
 5代目ルイロット
ルイロット(96xx)

フレンチ・フルート(1) 3代目ルイロット

ルイロット(38xx)

 5代続いたルイロット工房の中で、各々の代の作品には各々特徴があります。初代ルイロットの作品は、ルイロットの代名詞でもある高貴で妖艶な音色、また2代目もこの音色をきっちりと守っているようです。3代目に代わっても、音色については初代と区別が付けられない程その特徴を守っています。音色を守りながら、歌口を工夫することによって、吹奏感を変える努力をしたようです。キー・ワークについては、2代目が導入した調整ネジは徐々に使われなくなり、やがては全く使用されなくなりました。3代目の作品には、この調整ネジのなごりが残っているものもあります。4代目に代わって、少しづつ音色に変化が見受けられます。勿論、ルイロットの音色をきっちり継承していますので、5代目の作品までルイロット・ブランドそのものなのですが、やや息を吹き込めるようになり、音量も大きくなったようです。
 マイユショール製のC管、リング・キーです。多くのルイ・ロットがローピッチであるのに対し、現代ピッチで演奏可能です。歌口の改造や頭部管の切断(ピッチ調整のため)ありません。また、トーン・ホールの位置改造などもありません。
 シリアル番号は38**で3代目Debonnetbeauの時代のものです。最高の音色、反応も抜群です。程度も極上です。
 マイユショール製特有の明るさも兼ね備えています。
 オーバーホール済み。
 ケースはオリジナルで古めかしい良い味をかもし出しています。
 大変希少価値のある逸品です。是非、ご検討ください。






ルイロット(41xx)

 5代続いたルイロット工房のなかで、3代目Debonnetbeauの時代のものです。総銀製で、パーツのところどころにホールマークが入っています。巻管ルイロット独特の音色には感動を覚えます。
 総銀製のC管、リング・キーです。パーツのところどころにホールマーク入っています。多くのルイ・ロットがローピッチであるのに対し、現代ピッチで演奏可能です。歌口の改造や頭部管の切断(ピッチ調整のため)ありません。また、トーン・ホールの位置改造などもありません。
 オーバーホールからそれ程経っておらず、タンポは即演奏可能な状態で非常に良い状態です。シリアル番号は41**で3代目Debonnetbeauの時代のものです。最高の音色、反応も抜群です。程度も極上です。
 ケースはオリジナルではありません。ピッタリと収納できる新しいものにしました。
 大変希少価値のある逸品です。是非、ご検討ください。







フレンチ・フルート(1) 4代目ルイロット

ルイロット(49xx)

 5代続いたルイロット工房のなかで、4代目Baratの時代のものです。マイユショール製で、ルイロット独特の音色で、比較的明るい音色です。
 マイユショール製のC管、リング・キーです。多くのルイ・ロットがローピッチであるのに対し、現代ピッチで演奏可能です。歌口は勿論、全てオリジナルで、頭部管はピッチ調整の切断はされておりません。 また、トーン・ホールの位置改造などもありません。
 シリアル番号は49**で4代目Baratの時代のものです。最高の音色です。完全オーバーホール済みの極上品です。
 ケースはオリジナルで古めかしい良い味をかもし出しています。
 大変希少価値のある逸品です。是非、ご検討ください。







フレンチ・フルート(1) 5代目ルイロット

ルイロット(96xx)

 モダンフルートの原点とも言うべき「ベーム式フルート」は1932年にテオバルト・ベームによって考案され、その後フランスのゴッドフロイとイギリスのルダール&カルテに製作権が与えられました。ゴッドフロイの工作所でフルート製作の修行を行っていたルイロットは、後にゴッドフロイの娘と結婚し、ゴッドフロイの工作所を引き継ぐことになります。フランス・フルートの始まりです。現在でも名器として絶賛され、数多くのフルーティストの間で演奏されているルイ・ロット・フルートは、1855年に初代Louis Lotによって誕生し、その後後継者によって1952年まで受け継がれました。残念ながらそれ以降はルイロットと刻印されたフルートは存在しませんが、ヘインズやパウエルによって北米シカゴで受け継がれました(当初はルイロットを模倣していました)。

 ここで少し、ルイロット・フルートの世代交代について説明しましょう。1855?1875年まで初代Louis Lotによって製作所が運営された後、4回のオーナー交代がありました。1875?1882年はH.D. Villetteに、1882?1889年はDebonnetbeau and E. Chambilleによって受け継がれました。1889年、DebonnetbeauはM. E. Baratに製作所を売却します。そして最後の継承者になったのがE. Chambilleの娘で、1952年に彼女が生涯を終え、幕を閉じました。
 ルイロット・フルートは、1万本程製作されましたが、各々の世代毎のシリアル番号は大体ですが次のようになっています。Louis Lot (0-2,000)、Villette (2,000-3000、あるいは3,500)、Debonnetbeau (3,000-4,600)、Barat (4,600-7,400) 、Chambille (7,400-10,400)。


 次にティック所有の1つを紹介します。大変貴重なシングル・オーナー品で、状態が極上の逸品です。総銀製のC管、しかも大変珍しいカバード・キーです。前オーナーはスイス人で、Dr. Hans Rudolf Schinz、スイスの有名な放射線学者であったそうです(前オーナーに関する記事は
 http://www.drg.de/data/wuerdigungen/
                  galerie/Schinz.htm
まで)。
 前オーナーの甥の友人による紹介で譲ってもらいました。自らルイロットの製作所を訪れて購入したそうです。シリアル番号は96**で、前記のように1927年頃に作られたものです。
 ルイロット特有の輝かしい艶のある音色を醸し出します。また、完全ハンド・メイドによる手の込んだ跡が至る所に見受けられます。各々のパーツには「スワン」などのホールマークが施されています。総銀製ならではの美術工芸品と言っても過言ではないでしょう。
[付録]ルイロット・フルートについては、様々な分野での研究結果が報告されています。そのなかでも、各々の世代における材質分析結果や、上述したホールマークについても記載されている大変ユニークなレポートを参考のために紹介します。
http://www.eldredspellflutes.com/Articles.htm