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恋の鶯
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フルートに関係した非常に楽しい
ブログを見つけました。
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「フルート」と題したテーマが
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2010/02/06
| テオバルト・ベームのよって1832年にベーム式フルートが考案されました。当時は円錐型木管フルートでしたが、それから15年経った1847年に初めて円筒型の金属製フルートが発表されました。
このベーム式フルートが現代のフルートの原型ですが、考案されてから180年近く経った今でも、そのシステムは殆ど変わりません。それ程に、大変重要な発明だったと思います。
ベーム式フルートを製作・販売する権利は、当時、フランスではゴッドフロイとルイロットに、イギリスではルーダル&カルテに与えられました。実は、既にヨーロッパでは特許法が制定されていたのです。
ヨーロッパにおける特許制度の歴史は古く、1474年にベネチア共和国で世界で最初に特許法が制定されました。この法律によって、発明者は10年間の間、独占的に使用する権利が得られたのです。
その後、ヨーロッパ各国で特許制度が発足しましたが、中でも1624年にイギリスにおいて制定された専売条例と言う法律は、近代的特許法の先駆けとも言われており、後の産業革命の大きな原動力となったのです。
一方、日本における特許制度は1871年の専売略規則の公布が始まりとされていますが、施行されずに廃止されました。日本の特許制度の基になったのは、1885年に公布された専売特許条例で、公布された4月18日は特許の日とされています。その後、改正が行われた結果、1959年に現行の特許法が成立しました。 19世紀中頃に、テオバルト・ベームが考案したシステムが日本に伝わっていれば、また違った現代フルートが生まれたかも知れません。
なお、アメリカにおける特許の起源は、1787年にアメリカ合衆国憲法の第一条に「特許を与える権利は議会にある」との規定が盛り込まれたこととされています。単独の特許法としては、1790年に連邦特許法として制定されました。
さて、ベーム式フルートが考案されてから現代に至るまで、キー・システムや形状など、全てが同じ訳ではありません。キー・システムについて言えば、クロズド・GisやEメカなどは様々な工夫によって後に考案されたものですし、形状についても例えばアルバート・クーパーによる頭部間のテーパーは後の工夫によるものです。ヘインズやパウエルにおいてスケールに工夫を凝らしたデヴォー・スケールやクーパー・スケールなども様々な歴史的背景によって生まれたものなのでしょう。
これらの代表的な考案の他に、意外と多くの工夫が提案されています。これらの工夫は、各々の国の特許法によって権利が守られていますし、1883年に結ばれた国際的な協定であるパリ条約によって、内国民待遇の原則、優先権制度、各国工業所有権独立の原則(パリ条約の三大原則)が定められています。
優れたアイデアは、それを実現するメーカーへの売り込みなども盛んに行われており、例えば「特許流通データベース」などによって広く紹介されています。それらは、誰でも閲覧できますので、関係する分野のアイデアに目を通すことによって、その分野の知見も高まります。
先日、たまたま、独立行政法人 工業所有権情報・研修館によって昨年の9月に発行された開放特許活用例集」の中から、フルートに関係する特許を見つけましたので紹介します。
頭部管の左側内部に収められているコルク栓と反射板に関する特許で、コルク栓に直接反射板を取り付けると、反射板がコルク栓に密着しているために音色の輪郭が不鮮明になる他、音の発声時の立ち上がり速度が遅いという問題があると述べられています。この問題を解決するために、コルク栓を筒状にして同じく筒状のスリーブに外嵌することで、コルク栓内周に存在するスリーブ内周部においても音を共鳴させることができるとのことです。
どれ程効果があるかは、試してみたことがないために不明ですが、反射板の材質を替える(例えばクリスタル製などの商品が販売されています)などして、音色が変わる程ですので、何らかの変化があるに違いないと思います。 身近に接している楽器にも、色々とアイデアを凝らすことによって、見違えるほどの効果が得られるかもしれません。色々と考えることが、楽器に対する愛着が深まることにも繋がり、より楽しみも増すかもしれません。
ティックのホームページへ : http://tic-jpn.com
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2010/01/30
| 最近、音楽鑑賞に関して非常に気軽に行うことができ、かつ得られる情報も多くなりました。
私が学生だった頃は、勿論FM放送などによって多くの音楽を聴く事ができましたが、気に入った、そしてまとまった音楽を聴くためには、特にクラシック音楽の場合はレコード・ショップに足を運び、「お気に入り」を探す必要がありました。
クラシックのジャンルや作曲家などのカテゴリーに分かれて整理されているラックの中から、気に入ったものを探すことも一つの楽しみでもありました。 ラックに斜めに立掛けてある多くのレコードを一旦手前に引き寄せて垂直に立て、後ろから順番に引き上げては奥に移して順次探して行く方法が最も効率的で早かったのを覚えています。カタンカタンと後ろに順次送って行くときに生じる音は大変軽快で、また隣で探している方とまるで競争しているような錯覚も覚えたり、探す行為も大変楽しいものでした。
「お気に入り」を見つけた時の喜びの他、レコードを取り出して外観を検査してもらってレコード専用のビニールケースに丁寧に収めてもらう間の待ち時間も儀式として感じていました。
帰ったあとに開封し、まずレコード・ジャケットと同じ大きさの用紙に解説がぎっしりと書かれているのを読むことが、音楽を聴くこと以外の大きな楽しみでした。また、ジャケットのデザインなどにも楽しむことができ、気に入ったジャケットは、木製の専用フレームに入れて飾ったりもしました。
30年ほど前にCDが世の中に出回りました。CDには多くのメリットがありますが、以上のような楽しみを感じられなくなったような気がします。また、音色に関しても、レコードだからこそ表現できる何かがある、との考えもあるようです。
また、最近ではCDショップに足を運ばなくても、インターネット注文によって世界各国からお目当てのCDを取り寄せることが簡単にできるようになりました。 更に、YouTubeを代表する無料でネット配信を通じて楽しむこともできるようになりました。益々、音楽に接っし易くなったことは大変嬉しく思います。
一方、各種メディア媒体を介した音楽鑑賞は気軽で様々な楽しみ方がありますが、一旦生の演奏を聴くと、そこには大きなギャップがあると感じるのは事実だと思います。
多くのCDは、何回も行った演奏の中から最良の演奏を選んで収めたり、また、楽曲の部分部分をつなぎ合わせて一般受けする楽曲に仕上げて収めることも多く行われていると聞きます。「一般受け」と言うのが大変クセモノで、「ミスをしない演奏」に重点が置かれるあまりに、音楽性が損なわれることも多くあるようです。
勿論、ライブの素晴らしい演奏を収めたCDも多く販売されていますが、以上のような理由に加えて、演奏の雰囲気がリアルタイムに伝わる生演奏に勝るものはないと思います(勿論、名演の場合ですが)。そのような意味で、各種メディア媒体を介した音楽を楽しむことと生演奏を楽しむことは全く別もので、各々の良いところを理解することは大変重要だと考えています。
当店のホームページでも紹介していますし、以前ブログで取り上げるなどして演奏の一部を配信していますが、萩谷康一氏(フルート)と吉川由利子さん(ピアノ)との演奏によるCD「恋の鶯」では、全曲通しの生々しい演奏が収録されています。CDは昨年の9月に発売されていますが、今年の3月に発売記念コンサートが開催されます。
CDに収録されている幾つかの楽曲以外に、C.シャミナードのコンチェルティーノ op.107 ニ長調など数多くあるレパートリーの中から選ばれた楽曲を加えて全10曲が演奏されます。CDを聴き込んで望む生演奏は大変楽しみです。
実は、更に楽しみなことがあります。販売されているCDでは、1969年製のヨハネス・ハミッヒを用いて演奏されていますが、このコンサートでは、ヨハネス・ハミッヒを含めて3本の楽器を使い分けて演奏されます。 他の2本は、ヴィンテージ・フレンチ・フルートを代表するルイロット(1890年製で4代目Baratによる)とモダンの木管パウエルです。各々異なる音色の特色を活かして行われる演奏を楽しみにしています。
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2010/01/23
| 先週は、修理・オーバーホールが最近完成して見事に甦った円筒型木管ゴッドフロイを紹介しましたが、今週は当店が所有する3点のゴッドフロイの音色の比較を紹介したいと思います。
残念ながら金属製のゴッドフロイを持ち合わせておらず、3点は全て木製のものです。先週紹介しました円筒型木管に加えて円錐型木管を2本所有しています。
1本の円錐型木管の逸品は、本体がコーカスウッド性でキーは銀製の逸品です。もともとロー・ピッチでしたが、歌口に手を加えることによって442で演奏可能となりました。通常、歌口に手を加えると、反応が悪くなったりピッチ・バランスが損なわれたりします。また、上品な音色が損なわれたりする場合もあるため一切入手しないようにしていますが、この逸品だけは特別です。反応も素晴らしく、また高音から低音までピッチ・バランスも最高です。いわば最高の改良であると言えます。 落ち着きの中にも明るさを兼ね備えた味わい深い音色です。また、円錐型とは思えない程の大きな音量を発声することができ、様々なシーンでの演奏が可能かと思います。 なお、ケースは残存していなかったために新調しました。
もう一つの円錐型木管の逸品は、本体がローズウッド製でキーは銀製の逸品です。非常に珍しいハイ・ピッチのもので、頭部管を少々抜くことによって442で非常にピッチ・バランス良く演奏できます。歌口下のリップが当たる部分には銀のプレートが埋め込まれており、そのプレートには注文主と所有者となる方の名前が刻印されています。音楽的にも芸術的にも見事な逸品です。歌口は一切手が付けられておらず、オリジナルの状態を保っています。木部には一切クラックがなく、最高の状態です。 ゴッドフロイ特有の非常に明るい音色を有しています。前記のもう一本の円錐型ゴッドフロイと比較すると、こちらの逸品の方がやや明るい音色であると言えるでしょう。 なお、ケースもオリジナルで、マホガニー材が使われています。ケースにもゴッドフロイの刻印があります。また、オリジナルの鍵が残っていることも貴重です。現代ピッチで演奏可能な円錐型木管フルートは大変珍しく、また最高の状態であることも希少価値を高めています。オーバーホール済みの逸品です。
先週紹介した円筒型木管ゴッドフロイは、2本の円錐型木管の逸品に比べると更に明るさが増しているように思えます。また、2本の円錐型木管の逸品が発する音量は、円錐型とは思えない程十分大きいものですが、この円筒型の逸品では、更に大きな音量を発し、非常に力強く感じます。
当店が所有する2本の円錐型木管ルイロットにおいては、非常に落ち着いた素朴な音色であるのに対し、ゴッドフロイのこれらいずれの逸品においても、以上紹介しましたように特有の明るい音色を有しています。しかし、3本共にいずれ劣らない名器ですが、1本1本個性があり、演奏者の目指す表現によって好みが分かれるのではないでしょうか。
是非、歴史的に希少価値が高い、しかも楽器として超一級品のゴッドフロイを是非試して戴きたいと思います。きっとヴィンテージ・フレンチ・フルートの魅力に取り付かれることでしょう。
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2010/01/16
| ヴィンテージ・フレンチ・フルートとして名高いルイロットは、ゴッドフロイの工房で基礎を築き上げました。ゴッドフロイは、1836年に息子のヴァンサン・イポリット・ゴッドフロイとルイロットに工房を引き渡し、2人の共同工房が立ち上がります。
父親の代では、1キー・フルートや4キー・フルート、更に様々な多鍵式フルートを製作していましたが、この共同工房でも多鍵式フルートの製作を続けいています。一方、1832年にテオバルト・ベームによってベーム式フルートが考案されましたが、1837年までにゴッドフロイとルイロットの共同工房でベーム式フルートを製作されたと言われています。
当時のベーム式フルートは円錐型木製でしたが、1847年に金属製の円筒型が考案されました。その後、1855年にヴァンサン・イポリット・ゴッドフロイとルイロットは共同工房を閉じ、各々独立に工房経営を始めました。ルイロットがベーム式フルートの製作以外のフルートを殆ど製作していないのに対し、ゴッドフロイは多くの多鍵式フルートを製作していることから、解散の理由は目指すものが異なったことによるものなのかもしれません。
ゴッドフロイの製作によるベーム式フルートの多くは円錐型で、円筒型は殆ど製作していないようです。また、ゴッドフロイによる円筒型木管フルートは大変少なく、希少価値が高いものとされています。
そのような大変希少価値が高い円筒型木管ゴッドフロイをフランスに住む友人から譲り受けました。また、更に珍しいのはA=444の現代ピッチで演奏可能であることです。
譲り受けた時は、頭部管にヘアライン・クラックがあったり、キーの一部に補修のための半田が無頓着に付けられていたり、とてもそのままで使えるものではありませんでした。この歴史的に貴重な逸品を蘇らせるべく、オリジナリティを考慮しながら信頼できる修理工に修復をお願いしました。時間をかけて慎重に作業を進めて戴き、見事に蘇らせることができました。
ゴッドフロイ特有の明るく延びのある音色には心を打たれます。多くのヴィンテージ・フレンチ・フルートのファンの皆様にお試し戴きたいと思います。
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2010/01/10
| 昨年末、トラヴェルソをお買い上げ戴いたお客様から、ルネサンス・フルートについてのお問い合わせを戴きました。
お買い上げ戴いたトラヴェルソは、トーマ・ロットとステインズビー・ジュニアのモデルでしたが、両方共に大変気に入って戴き、お買い上げ戴いた後は良く演奏に使われているとのことでした。その後、ボアズ氏が製作するルネサンス・フルートにも興味を持って戴いたのです。
ルネサンス・フルートは、円錐型のバロック・フルートとは違って円筒型ですので、特に右指側をオープンにした音階のオクターブでピッチが狭くなります。そのため、バロック・フルートとまた違った運指での演奏が必要になります。一方で、非常に明るく透き通った音色が魅力的だと言われているようです。
ルネサンス・フルートは当店のウェブ・サイトでは掲載していませんし、正直なところ私もそれ程詳しくなかったのですが、お客様に興味を持って戴きましたので取り寄せるお手伝いをさせて頂きました。また、到着して実物を見るのが楽しみになりました。
ボアズ氏は幾つかのルネサンス・フルートを製作していますが、興味を持って戴いたのは下の写真にあるバッサーノのモデルでした。テナーとバスが用意されています。ピッチについても492、408と415に対応しています。また、材質に関しては、柘植材や楓材など数種類から選択できます。
通常、製作にはトラヴェルソと同じ程度の3、4ヶ月が必要になります。しかし、ご希望の415ピッチのもので2つの在庫がありましたので、その中から選んで戴きました。一つは楓材、もう一つは「Turkish dogwood 」と言う材質でした。ボアズ氏と連絡を取りながら、楓材に比べて若干ダークな音色を有する「Turkish dogwood 」を選んで戴きました。
発注して1週間程で50cm程度の円筒形の筒が届きました。それはそのはず、バロック・フルートと違って分割されていない1本のフルートなのです。丁寧に梱包を解き、美しい布のケースから取り出した実物は大変シンプルではありますが、なぜか神秘的な漂いがありました。外見検査を終えた後、手にして音を発声してみたくもなりましたが、お客様の大切な商品ですので、いつもと同様外見検査だけを行ったあと梱包を元に戻してお客様にお届けしました。
お客様にも大変気に入って戴き、今回の仕事にも満足することができました。当店のウェブ・サイトに掲載していない商品でも、ボアズ氏やピエール氏のウェブ・サイトに掲載されている商品のお取り寄せにはご協力したいと考えています。
ティックのホームページへ : http://tic-jpn.com
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