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2010/09/04

執筆者: Fukurou (5:30 am)


 先週は、原曲で意図された楽器を替えて演奏した例などを紹介しましたが、今回は、更に話を進めて、クラシック音楽の楽曲を、ジャンルを超えて、例えばジャズやロック風にアレンジして演奏されたものを紹介したいと思います。

 良くバロック音楽とジャズには共通点がある、とも言われますが、そのことによるものかどうかはわかりませんが、J.S.バッハの楽曲をジャズにアレンジされた演奏は多くあります。その代表的なCDとして、ジャック・ルーシェの演奏版があります。ジャック・ルーシェがJ.S.バッハの楽曲をジャズにアレンジして収録されたCDは数多くありますが、昨年発売された「プレイバッハ50THアニヴァーサリー・レコーディング」は、その集大成でもあるかもしれません。


 また、ジョン・ルイスの「The Chess Game」と題する作品「ゴールドベルク・」ヴァリエーション」は大変興味深いCDです。ジョン・ルイスと奥様のミリアナ・ルイスとの競演で、ミリアナのチェンバロ演奏におるクラシック版とジョンのピアノによるジャズ版が交互に収録されており、異なるアレンジ・楽器による演奏の対比を楽しみことができます。他に、ジョン・ルイスは、クラシック音楽をジャズにアレンジしたものとして、J.S.バッハの作品では、「プレリュードとフーガ」を録音しています。


 以上は、いずれもジャズ・ピアニストがJ.S.バッハの作品をジャズにアレンジして演奏したものですが、クラシック音楽奏者が異なるジャンルに挑戦した興味深い例があります。

 オルガニストとして有名なヴァージル・フォックスを紹介したいと思います。ヴァージル・フォックスは、60歳頃から、ジャンルにとらわれずに、オルガン音楽を知らない層に広めるために、電子オルガンを駆使して様々な場所で演奏活動を行いました。その中の貴重な映像として、J.S.バッハの「フーガ ト短調」のジーグをロック風にアレンjいして演奏し、見事に聴衆の心を捉えたものがあります。ユー・チューブ「Virgil Fox Legacy /Bach/ Gigue Fugue」で観る事ができます。

 ジャンルを超えて音楽を楽しむことも一考だと思います。

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2010/08/28

執筆者: Fukurou (10:21 am)


 トラヴェルソの演奏を楽しんだり、古楽器の演奏会を鑑賞したりすると、当時の作曲家が意図した演奏形態や楽器構成を忠実に再現することを試みることは大変素晴らしいことだと感じます。

 一方で、原曲がヴァイオリン曲の楽曲をフルートでの演奏に編曲して演奏したものなど、楽器を替えた演奏も大変興味深く、感嘆を覚えるものが多く有ります。

 当店の広告でも紹介している、萩谷康一氏と吉川由利子さん演奏によるCD「恋の鶯」に収録されている曲で、CDのタイトルにもなっている「恋の鶯」は、もともとはクープランがクラヴィーア曲として作曲したものですが、フルートとピアノによる演奏は見事なものです。また、同じCDの中に収録されている「フルート・コンチェルト D moll(Wq22)」の第二楽章「ウン・ポコ・アンダンテ」は、ピアノ伴奏によるフルート演奏にアレンジされ、また若干速めのテンポによる演奏は格別の味わいを演出しています。


 例えば、原曲がヴァイオリン曲やリコーダ曲の楽曲やをフルートでの演奏に編曲されたものには大変多く出会いますが、中には楽器の異なる性質上、アレンジや演奏方法に工夫を凝らして、違った趣の演奏で話題を呼ぶ演奏に出会うことがあります。

 J.S.バッハの無伴奏チェロ・ソナタを、サキソフォンやフルートで演奏されたものなどがあり、大変興味深いと思います。

 清水靖晃氏演奏によるCD「CELLO SUITE」は、ポリフォニック楽器であるサキソフォンを用いて、日本国内にある幾つかの洞窟の中で演奏されており、自然空間における音の響きや余韻を見事に利用しています。


 また、同じく、J.S.バッハの無伴奏チェロ・ソナタをフルートで演奏されたものとして、藤井香織さん演奏のCD「J.S.バッハ フルートによる 4つの無伴奏チェロ組曲」、「J.S.バッハ フルートによる 2つの無伴奏チェロ組曲 無伴奏フルート・パルティータ」、そして新谷要一氏演奏のCD「フルート独奏による無伴奏チェロ組曲」 などがあります。いずれも、全音楽譜出版社から出版されているパウル・マイゼン氏編曲による楽譜を使用されているそうです。編曲の技が光ります。

 余談になります、上記の新谷要一氏演奏のCD「フルート独奏による無伴奏チェロ組曲」では、総14K金製のアキヤマ・フルートを用いて演奏されています。それ以前は、ルイロットを愛用されていたそうです。



 作曲家が意図したことを忠実に再現する演奏も、また様々な工夫を凝らして楽器を替えて行われた違った趣のある演奏も、聴衆の解釈一つでどれも素晴らしい演奏となりえるのだと思います。

 来週は、更に話を進めて、クラシック音楽の楽曲を、ジャンルを超えて、例えばジャズやロック風にアレンジして演奏されたものを紹介したいと思います。

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2010/08/21

執筆者: Fukurou (5:16 pm)


 笛を吹く人物を描いた絵画や版画の中でとりわけ有名なものの一つに、1866年にエドゥアール・マネによって描かれた「笛を吹く少年」があります。フランスにおけるボナバルト朝時代、定刻衛兵の鼓笛隊の所属する横笛奏者をモデルにしたものです。


 時代を200年も遡りますが、ルネッサンス時代やバロック時代においてもトラヴェルソ奏者を描いた多くの絵画が残されています。これらの絵画は、笛吹きにとっては特に親しみ易く心を打たれることでしょう。

 フルート奏者をテーマにした絵画や版画、彫刻などの芸術作品は、博物館や書物、更にはインターネットでの検索などで探すことが可能ですので、気の向くままに鑑賞することができます。しかし、町を歩いているときや旅先で出会うものは、その偶然性から心が和むことが多くあります。

 先月、ベトナムに出張した時、偶然にもフルートを演奏する姿を描いた彫刻に出会いました(ブログ「国境のない音楽」参照)。その時もそうですが、この夏、短い夏休みを利用して熱海を訪れましたが、またまたフルート奏者を描いた芸術に出会ったのです。

 駅から少し離れた熱海港に近い135号線沿い、「お宮の松」のモニュメントがある場所に程近いところを夜散歩したときでした。幾つかの絵がライトアップされていたのです。その中の一つにフルートを演奏する姿を描いた作品がありました。

 熱海市生まれの彫刻家である澤田政廣氏の作品で、バックライトで照らされた作品は非常に魅力的でした(「お宮の松」を描いた作品も掲載します。携帯電話しか持ち合わせておらず、写真の性能が悪いのはご容赦ください)。


 熱海港の夜景もお裾分けします(これも大変品質が悪い写真ですが、どうかお許しを)。


 澤田政廣記念美術館には、フルート奏者を描いた以下の彫刻も展示されています。

 偶然に出会うフルート奏者を描いた芸術は、一層心を打たれます。

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2010/08/15

執筆者: Fukurou (3:03 pm)


 ここのところ円高が叙所に進行し、ついに15年ぶりの高い水準となって84円代をつけました。対ユーロについてはギリシャ不安が、また対米国についてはリーマン・ショックから約1年程度で一旦は回復したとも思われた米国経済が再び減速に向かっていることが主たる要因とのことです。

 従来であれば、米国と日本政府との協調為替介入によって急速な為替レート変動が抑えられてきました。しかし、今回は、オバマ政権がある程度のドル安を容認していることもあって、日本政府が単独に為替介入し辛い面があるそうで、益々投資家のドル売りに拍車がかかっています。

 このままの円高が続いて1ドル80円程度にまで進むと、景気の回復を示している日本経済も鈍化し、GDPが減少に転じることが不安視されています。

 輸出が頼みである電気や自動車産業においては、1円の円高で何百億円もの純利益が減少する企業も多く、部品の海外調達や海外生産など様々な施策を講じていますが、早々簡単には事が運ばず大変な思いをされていると思います。

 一方で、輸入品を扱う業界では逆に円高の恩恵を受けています。その一つが旅行会社で、「円高還元」などのキャッチフレーズで、海外旅行パックを格安で提供しているのを良く目にします。

 当店では、フランスに住むピエール氏とカナダに住むボアズ氏が製作するトラヴェルソの販売代理店を行っていますが、この場合も皆様には円高の分だけ安くお買い求め戴けます。ウェブ・サイトに掲載している通り、皆さんが直接注文する場合と同じ費用でお求めできるようにお手伝いをさせて頂いています。その為、常に実勢の為替レートでの販売価格でお買い求めでき、円高の分だけそのま値引きになり、円高の恩恵を受けることができるのです。

 本日の実勢為替レートによれば、1ユーロは110円、1カナダ・ドルは82.8円、ここのところない円高の水準です(銀行での両替は、両替手数料が発生しますので、実勢レートより少々費用がかかります)。

 国対同の思惑によって商品の価値が変わることについては個人的には容認し難いところはありますが、上手く動いて円高の恩恵を受けたいものです。

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2010/08/08

執筆者: Fukurou (10:21 am)


 ヴィンテージ・フルートやトラヴェルソを海外から取り寄せる時、様々な問題に出くわします。

 異なる国間の品物のやり取りが伴いますので、各々の国で定められた入出国のルールへの配慮は当然ですが、関税についても十分な知識を持ち合わせていないと様々なトラブルに巻き込まれることが多いのです。

 とは言え、フルート(トラヴェルソも含む)については関税は5%と決まっていますので、トラヴェルソなどでは(特にオリジナルの場合)ワシントン条約に則った象牙の輸入に注意すれば事済みます。象牙の輸出入について、しかるべき手続きを踏めば可能になることもあるからです。

 一方、品物の輸送については非常に気を使います。何と言っても、まずは大切な楽器を傷つけることなく安全に輸送することに配慮します。梱包への配慮もそうですが、信頼できる輸送機関の選択や壊れ物の扱いに対する説明など入念に行うことが大切です。

 輸送にかかる費用や日数も大変重要なファクターです。費用については、大切な楽器の輸送ですの保険を含めて考慮する必要があります。また、日数については、かける費用にも関係しますが、輸送機関や国によって大きく異なります。

 以上を配慮して、北米とのやり取りについては、通常EMSなど国郵便を使っています。アメリカの場合は、通常5日もあれば品物は届きます。また、フランスの場合も通常は国郵便を使いますが、1週間程度で品物が届きます。費用については、私が使っている輸送機関の場合、大体日本円にして6000円程度が普通です。例えば、フランスに住むピエール氏からのトラヴェルソの輸送の場合は55ユーロですし、カナダに住むボアズ氏からの場合は70カナダ・ドルとなっています。

 ところが、つい最近、ちょっとしたトラブルに会いました。7月納期で製作していたピエール氏のトラヴェルソが、予定通り7月中旬に仕上がってフランスを発ちました。通常であれば、1週間程度で届き、当店での外観検査を経てお客様のもとに届けますので、7月中にお納めすることができるのです。しかし、8月になっても届かず、結局通常の3倍、3週間もかかってしまいました。時間がかかっただけで、商品には全く影響はなかったのですが、お客様には大変ご心配とご迷惑をお掛けしてしまいました。

 今回の場合は、フランスにおける航空会社のストによる影響だったのですが、様々な自体が起こることを想定して、事前に対処したいものです。

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